いまや日常生活の一部として、欠かせない存在となった、手ごろで美味しいファーストフード。しかし、ファーストフードの過剰摂取は、健康を害することが報告されています。では実際に身体のどこに、どのような悪影響を及ぼすのか、詳しく見てみましょう。
ファーストフードが腸内細菌に与える影響
ファーストフードが嫌いな人はいるのでしょうか?
忙しい日々の生活の中で、ゆっくり食事をする時間もなく、つい出来合いの安価な市販の食べ物を掴んで出かけてしまうこともあるでしょう。ファーストフードは、巧みなマーケティング戦略により「ハッピーミール」と銘打って、大人にも子供にも、あたかも魅力的な食事であるかのように宣伝されています。お子様がいらっしゃる親御様は、子供が何かをうまくこなせたときに、そのご褒美として、チキンナゲットやフライドポテトを食べさせた経験がおありではないでしょうか。しかし、それは健康と幸せを損なわせる重大な過失だということに気づいてください。
「スーパーサイズ・ミー」という映画をご覧になりましたか? ご存じでない方のために説明すると、映画「スーパーサイズ・ミー」は監督のモーガン・スパーロックが、1日3食1カ月間ファーストフードだけを食べ続けるというドキュメンタリー映画です。その結果は彼が想像していた以上にショッキングなものでした。その食生活を継続して30日目に差し掛かった頃、彼は医者から「肝機能がアルコール依存症患者のように悪化している」と告げられ、実験を断念せざるを得なかったのです。
ファーストフードの過剰摂取が、私たちの基本的な健康、特に腸内細菌にいかに有害であるかということを示す実験が、ヒトや生体内でさらに行われています。それでは、実際にファーストフードの過剰摂取が腸内細菌に対してどのような影響を与え、健康を害するのか見てみましょう。
ファーストフードが与える身体への影響
免疫システム
ファーストフードの摂り過ぎは、免疫システムにも悪影響を及ぼすことが分かっています。私たちが口にする食べ物は、腸内の免疫細胞と相互作用する腸内細菌に影響します。主に脂肪、塩分、砂糖からなるファーストフードの過剰摂取は、免疫機能を低下させ、炎症の原因となることが研究で報告されています。
炎症
ファーストフードの食事は、一般的に脂肪が多く食物繊維が少ないため、腸内細菌のバランスを崩します。また、炎症を抑える役割があるといわれている酪酸のような、有益な短鎖脂肪酸を生成する善玉菌の成長を妨げます。例えば、こんな研究結果が報告されています。南アフリカ人に、いわゆる西洋風のファーストフードを食べてもらい、アメリカ人に、南アフリカ人が食べるような食物繊維を多く含む食事を2週間してもらった結果、南アフリカ人のグループでは、酪酸レベルが半減し、その一方で、アメリカ人グループでは酪酸のレベルがおおよそ二倍に増加しました。
代謝
研究によって、高脂肪な食事は代謝に影響する腸内細菌を変化させることが分かっています。微生物叢は、食事からエネルギーを抽出する方法や、脂肪(エネルギー)を蓄える方法にも関係しているようです。健康な腸内細菌は代謝を高める一方、不健康な腸内細菌は脂肪を蓄えます。
まとめ
ジャンクフードの大量摂取は、代謝に影響します。実際、インスリン抵抗性のリスクを高め、毎日身体が消費するエネルギーの熱量を減らす可能性があります。
重要なことは、腸の健康のために自然食品を食べるということです。そして、日々の食事で不足していると思われる栄養分は補助食品等を摂取して、腸内細菌の健康をサポートしてください。ファーストフードはたまのご褒美として楽しみましょう。決して毎日の食習慣にはしないでください。身体と腸は、食事から摂取する栄養分に非常に敏感です。
ジャンクフードを食べないチャレンジをしてみよう
21日間ジャンクフードを食べないチャレンジを提案します。これはまさに、現代の「適者生存」の実現に繋がります。ハンバーガーやピザなど美味しいものを食べて増えてしまった体重を減らしたい場合は、この方法は非常に最適です。
以下が、控えたいジャンクフード一覧です。チャレンジしてみませんか?
- チョコレート
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- ファーストフード
- ケーキ
- 菓子パン
- ドーナツ
- マフィン
- あめ
- 全粒粉でない食パン
- ビスケット
- クッキー